仕事で福岡の田川に行くことになり、いつものように「安くて快適な方法で行けないかなぁ…」といろいろ探していたら、「バリ得」があることを思い出しました。
オンラインで買えて、かんたんに引き換えができて、グリーン車なのに新神戸から小倉までなんと7,200円!しかもお菓子か飲み物がついてくる!
「バリ得」とはなんなのか?どれくらい安いのか?どうやって買ったらいいのか?乗る時はどうすればいいのか?を実際に使った様子を交えてレポートします。
「バリ得」とは?
「バリ得」とは、山陽新幹線の関西地区4駅(新大阪・新神戸・西明石・姫路)と福岡地区の2駅(小倉・博多)、関西地区4駅と九州新幹線の新鳥栖から鹿児島中央までの区間で、対象となる「ひかり」「こだま」「つばめ」の普通車指定席を前日までに購入すると、激安で乗れてしまう日本旅行のお得な旅行商品です。
なお中国地区発着の「バリ得」も設定されていますが、ここでは割愛します。
■「バリ得」(関西ー九州)の設定区間
- 新大阪・新神戸・西明石・姫路↔小倉・博多
- 新大阪・新神戸・西明石・姫路↔新鳥栖ー鹿児島中央
しかもセブン−イレブンで飲み物やお菓子と引き換えできる「ポチッとギフト」も付いてきます。
「バリ得」はどれくらい安いのか?
今回使った新神戸ー小倉間は、普通に買うと15,000円くらい。最安でも10,000円くらいです。
普通のきっぷ(のぞみ・みずほ) (※はさくら・ひかり・こだま) |
14,590円 (※14,270円) |
---|---|
エクスプレス予約 e5489(eきっぷ) |
12,280円 |
e5489(スーパー早特きっぷ) | 10,470円 |
一方「バリ得」は、なんと6,700円!え?安過ぎひんか!?
「バリ得」の新大阪ー博多は7,500円!
ほかの区間の金額も見ておきましょう。
小倉 | 博多 | 熊本 | 鹿児島中央 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バリ得 | 通常運賃 | バリ得 | 通常運賃 | バリ得 | 通常運賃 | バリ得 | 通常運賃 | |
新大阪 | 6,900円 | 14,720円 (14,400円) |
7,500円 | 15,600円 (15,280円) |
10,500円 | 19,200円 (18,880円) |
12,300円 | 22,630円 (22,310円) |
新神戸 | 6,700円 | 14,390円 (14,070円) |
7.300円 | 15,270円 (14,950円) |
10,300円 | 18,870円 (18,550円) |
12,100円 | 22,300円 (21,980円) |
西明石 | 6,500円 | 13,390円 (13,180円) |
7,100円 | 14,940円 (14,620円) |
10,100円 | 18,870円 (18,550円) |
11,900円 | 23,570円 (21,980円) |
姫路 | 6,300円 | 12,970円 (12,650円) |
6,900円 | 14,390円 (14,070円) |
9,900円 | 18,540円 (18,220円) |
11,700円 | 22,080円 (21,760円) |
※()はひかり・こだま・さくら利用時の運賃 |
通常運賃と比べるとおおよそ50%近い割引率…。これにポチッとギフトもついてくるのでめちゃくちゃお得ですね。
「バリ得」はなぜこんなに安いのか?
「バリ得」はなぜこんなに安いのか?それは利用できる列車が限られるからです。
利用できる列車は、山陽新幹線新大阪ー博多間では「ひかり」「こだま」のみ、九州新幹線博多ー鹿児島中央間では「さくら」「つばめ」のみとなっています。
停車駅が少なく速い「のぞみ」と「みずほ」、山陽新幹線区間については「さくら」も使えません。だから安いんですね。
つまりめちゃくちゃ時間がかかる
つまりめちゃくちゃ時間がかかります。
とくに山陽新幹線の「こだま」は各駅に停まるのはもちろんなんですが、通過待ちなどの時間調整で1つの駅に長く停まることが多いです。
新大阪ー博多は「のぞみ」で2時間半、一方「こだま」では4時間半〜5時間ほどかかります。
私も実際に「こだま」で博多から新大阪まで帰りましたが、めちゃくちゃ時間がかかりました。
「バリ得」でも速い列車は早朝下りと深夜上りの「ひかり」
でも「バリ得」でも速い列車があります。それは早朝と深夜の「ひかり」。
山陽新幹線の「ひかり」のほとんどが新大阪ー岡山でしか走っていませんが、早朝と深夜の以下の列車は新大阪ー博多で運行されています(2021年3月現在)。
- 【下り】新大阪6時6分発、博多9時19分着のひかり591号(3時間13分・グリーン車あり)
- 【下り】新大阪7時35分発、博多10時11分着のひかり531号(2時間36分・グリーン車あり)
- 【上り】博多6時18分発、新大阪10時12分着のひかり592号(3時間54分・グリーン車なし)
- 【上り】博多20時51分発、新大阪23時32分着のひかり594号(2時間41分・グリーン車あり)
とくにひかり531号は新大阪ー博多を2時間36分、ひかり594号は博多ー新大阪を2時間41分で結び、なおかつ500円の追加料金でグリーン車にも乗車できてしまう、まさに「バリ得」な列車となっています。(※ひかり591号にもグリーン車があります)
「特定都区市内制度」が使えるので条件が揃えばさらに安くできる
列車限定でお得に新幹線に乗れるというと東海道新幹線の「ぷらっとこだま」がよく知られています。
ワンドリンク引換券がついているところも似てますよね。
しかし「バリ得」には「ぷらっとこだま」にはないメリットがあります。それは「特定都区市内制度」です。
「特定都区市内制度」とは、全国11の都市(札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・北九州・福岡)に設定されており、その都市内にある駅と201km(東京山手線内であれば101km)を超える駅との間の乗車券は、その都市の中心駅の運賃で計算されます。
対象となる乗車券には、●●市内(東京都区内・東京山手線内)と記載され、その対象駅であれば、追加料金を払わずに乗車することが可能です。
「ぷらっとこだま」ではこの制度が適用されず、東京から新宿や新大阪から大阪へ行く場合、東京もしくは品川から新宿までの運賃200円(IC運賃198円)、新大阪から大阪までの運賃160円が必要です。
ところが「バリ得」は特定都区市内制度対象なので、追加運賃が発生しません。
今回の例で言うと、行き先の最寄り駅が田川後藤寺駅で、小倉駅から日田彦山線で1時間くらい。小倉駅からの運賃は通常760円です。
ところが「バリ得」は特定都区市内制度対象で、北九州市内の駅であれば小倉駅までの運賃と同じ金額で乗車することができるので、北九州市内の駅である呼野駅から田川後藤寺駅の380円でOKでした。
760円かかると思ってたのでめっちゃお得になりました。
「バリ得」を使うときの注意点
「バリ得」を使うときには通常のきっぷと異なる注意点があります。
1.予約はオンラインのみ。駅や旅行会社店頭・電話受付でも買えない。
「バリ得」は日本旅行の旅行商品で、駅では売っていません。
通常、旅行商品は店頭や電話受付も行っていますが、「バリ得」の予約はオンラインのみです。
乗車日前日まで購入が可能です。
2.予約後の変更は一切不可・乗車10日前からは取消手数料がかかる
予約後の変更(列車や乗車座席)は一切できません。取り消しは可能ですが、乗車10日前から取消手数料がかかります。
3.乗り遅れた場合、後続の列車には乗れない
予約時に指定された列車・座席以外の利用はできません。仮に乗り遅れた場合は買い直しとなります。
4.途中下車はできない
通常101km以上の乗車券では、発着地となる特定都区市内制度の対象駅以外での途中下車が認められていますが、「バリ得」では一切認められていません。
「バリ得」の予約方法
「バリ得」は日本旅行のサイトから予約を行います。
乗車券ではなく旅行商品なので、利用者の住所や連絡先の登録、緊急連絡先の登録が必要です。項目が多く入力に少し時間がかかるので、余裕のあるときに予約しましょう。
「バリ得」の発券方法
予約した「バリ得」は駅の券売機で発券します。発券できる駅は出発地に応じて変わります。
「バリ得」の場合、関西発は関西の駅で、九州発は九州の駅での発券となります。
発券した乗車票は、通常のきっぷと同じように自動改札機を通して利用します。
もしQRコードで発券できない場合は、11桁の認証番号と4桁の引取番号を券売機に入力すれば大丈夫ですよ。
「バリ得」は早朝深夜の「ひかり」を使えばお得に速く移動できる
関西・中国と九州をお得に移動できる「バリ得」。
私は朝早いひかり591号のグリーン車に乗ったので、人も少なく静かでとても快適に過ごせました。
昼間だとどうしても4時間以上かかってしまいますが、早朝と深夜の「ひかり」を選べば、かなり安くで快適に移動ができますよ。
タイミングがあれば、ぜひ使ってみてください。
コメント