年間の国内出張が多い私。
スケジュール的にタイトすぎる時は単純往復や飛行機での日帰りですが、そうでない時は普段から目的地までのルートはどう行けば楽しいのか、どうすればその楽しいルートで安くすることができるのかを考えています。
京阪神から行く愛媛もルートとしては面白いところで、伊丹からの飛行機、新幹線+特急、高速バス、船など様々な移動手段があります。
時間のない時は飛行機でサッと往復するんですけれど、2018年に鉄道で行った際はJR西日本のホームページで「松山・広島割引きっぷ」というきっぷを見つけ、このきっぷを使って行きました。
これが通常の往復より費用も安い上に、いろんな交通手段使えて移動もすごく楽しかったので、京阪神から松山や広島に行く人には必ずおすすめしています。
そんな超おすすめな「松山・広島割引きっぷ」を紹介しますね。
「松山・広島割引きっぷ」とは?
JR西日本のネット予約サービス「e5489」で乗車1ヶ月前から前日まで発売されているきっぷです。
行きは新大阪・新神戸・博多から松山までを岡山までの新幹線と岡山から松山までの特急しおかぜの指定席で行けて、松山周辺のJR線が乗り降り自由。
帰りは松山から呉までの高速船スーパージェットの乗船券と呉から広島周辺のJR線が乗り降り自由。
広島からは博多・新神戸・新大阪までの新幹線指定席特急券がセットになっています。
行きと帰りを逆にすることも可能ですが、同じ経路での往復はできません。
有効期間は4日間です。
私が利用した2018年の段階では広島発着で利用できる新幹線がのぞみの4列車(上り下りで8列車)に限定されていましたが、2019年4月からの発売分ではみずほ・さくらを含めてどの列車でも利用できるようになり、時間的制約が大幅に改善されました。
また、2023年5月からは以前発売されていた京都市内発着分がなくなり、博多発着(福岡市内・博多南は別料金)が新しく設定されています。
「松山・広島割引きっぷ」のおねだん
- 大阪市内からは17,500円
- 神姫ゾーン(※)からは17,100円
(※JR神戸線立花ー姫路と和田岬:新幹線乗降駅は新神戸・西明石・姫路) - 博多からは20,100円
通常大阪市内から松山までの往復が27,180円、大阪市内から広島市内までの往復が21,900円かかることを考えるとかなりの安さです。
大阪市内発着は現在17,500円です。
「松山・広島割引きっぷ」を使えば1泊2日の愛媛出張もできる!
通常こういうきっぷは旅行で使うんでしょうけど、「松山・広島割引きっぷ」は出張でも使えます。というか私使いました(笑)。
私が出張で実際に利用したコースは、大阪から松山に行きそこで1泊。
翌日八幡浜で仕事をして広島経由で帰る行程です。
まずは新大阪から新幹線で岡山へ、ここは2駅なのであえて指定席は取らずに自由席で。
(当時みずほ・さくらは利用できなかったので指定しませんでしたが、今ならみずほかさくらの指定席通路側を選択します)
岡山から松山までは特急しおかぜの普通車指定席ですが、1号車の後ろ寄りについている半室の普通車を利用しました。
ここ4席×4列で12席しかありません。通常の普通車に比べて個室感があって、ゆったり過ごせるのでよく使っています。
なぜこんな空間になっているかと言うと、もう半分がグリーン車なんですね。
地方の在来線特急列車にはこのような1両の半分がグリーン車、もう半分が普通車という構造の列車が多くあるので、見つけたら乗ってみてください。
松山で1泊し、翌日はフリー区間からはみでた伊予大洲から八幡浜の乗車券を追加購入して八幡浜で仕事。
八幡浜での仕事を終え松山駅に戻り、少し歩いていよてつの大手町駅から電車とバスを乗り継いで松山観光港へ。
(ここは後述するJR松山駅前から松山観光港へ直行するバスの利用が便利です・私はただいよてつの電車に乗りたかっただけ・笑)
※2023年11月23日から松山駅〜松山観光港間の路面電車(JR松山駅前〜大手町駅前)、郊外電車(大手町~高浜)、観光港連絡バス(高浜駅前〜松山観光港)は追加料金なしで使えるようになりました。
松山観光港からはスーパージェットに乗って呉港へ。
呉からは呉線に乗って広島に向かい、新幹線で新大阪に戻りました。
行きは新大阪を12時42分に出発して松山が16時16分着。
帰りは松山の大手町駅を16時46分に出発して新大阪は21時1分着でした。
日帰りはさすがに厳しいですが、1泊2日の比較的タイトなスケジュールでもいろんな交通手段を使っていろんな風景を眺められるのでとても楽しかったです。
「松山・広島割引きっぷ」で楽しめる車窓風景
私は岡山経由で松山へ向かったんですが、行きはしおかぜから見える瀬戸内の車窓。
帰りはいよてつの電車とバスで地方の交通機関を楽しみ、松山観光港からのスーパージェットでは暮れゆく瀬戸内を海の上から楽しめます。
千葉の金谷へ行った時もそうでしたが、船を使うと旅感がグッとあがりますね。
めいいっぱい利用すれば松山も広島も楽しめる
出張なのでタイトな2日間利用でしたが、有効期間は4日間あるので、松山で鯛めし食べたり道後温泉浸かったり、呉で大和ミュージアムや海軍カレー、メロンパンを食べたり、広島に出て1日市内観光するもよし。
呉港から呉駅へダッシュする間にとった大和ミュージアムとてつのくじら館。行きたかった…。
広島側のフリー区間は岩国まであるので、フェリーやバスは別料金になるものの宮島や錦帯橋へもアクセスできます。
松山側のフリー区間は伊予大洲まであるので予讃線の海線(愛ある伊予灘線)を走る観光列車「伊予灘ものがたり」(乗車には予約と別料金要)を楽しむのもいいですね。
唯一のネックはスーパージェットの運行本数の少なさと広島側の乗降が呉港限定
このきっぷでネックだったのは広島発着の新幹線がのぞみの4列車(上り下りで8列車)に限られることでしたが、2019年4月発売分からはどの列車でも利用できるようになったため、現時点で最大のネックはスーパージェットにおける2つの事象になりました。
スーパージェットは1日4便
まずはスーパージェットの運行本数が限られること。1日4便(往復8便)しかありません。
※通常ダイヤの時刻:2022年12月1日現在(※最新の情報は瀬戸内海汽船公式サイトで)
松山→呉 | 呉→松山 | ||
---|---|---|---|
松山観光港 | 呉港 | 呉港 | 松山観光港 |
8:50 | 9:47 | 9:13 | 10:10 |
11:50 | 12:47 | 12:13 | 13:10 |
15:40 | 16:37 | 16:03 | 17:00 |
18:50 | 19:47 | 19:13 | 20:10 |
2018年の私の場合、松山観光港でだいぶ待ち時間(約1時間)ができてしまった上に、呉港に着いてから指定した新幹線に接続する列車に乗るために猛ダッシュで呉駅へ向かわねばならず大変でした。
スーパージェットの広島側で乗下船可能なのは呉港のみ
そして広島側で乗下船可能なのが呉港だということもポイント。
このスーパージェットは広島港まで行くのですが、JRが発売するきっぷということもあってか広島側の乗降はJR呉駅と接続する呉港のみです。
広島港まで行けば路面電車で広島市内へアクセスできるのですが、それはできません。
まぁ通常片道5,000円ほどするスーパージェットにかなり安くで乗れているのでここは目をつぶりましょう。
とにかくスーパージェットのどの便に乗るのかをしっかり決めた上で、その前後の旅程や列車の指定をすると良いでしょう。
なお、松山市内と松山観光港を連絡するバスはこちらで確認ができます。
「松山・広島割引きっぷ」はコスパが良いのに移動そのものを旅として楽しめるきっぷ
「松山・広島割引きっぷ」について紹介しました。
もちろん旅行等で4日間めいいっぱい使うのがより良く楽しいんですが、仕事であっても通常往復より安いので経費的にも優しいですし、新幹線・在来線特急・高速船と様々な移動手段で移動そのものを楽しむことができたので、今まで使ったきっぷの中で一番満足度が高かったです。
前日までネットで買えるので、「どこか行きたいな…」「旅感感じたい…」と思ったらぜひ予約して出かけてみましょう!
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