仕事で姫路に行った帰り、乗り換える予定の新快速がたまたま有料座席車「Aシート」付きだったので三ノ宮まで乗車しました。
500円でゆったり座れる「Aシート」をかんたんにレポートします。
新快速「Aシート」とは?
京阪神を貫いて東は滋賀県の米原、北は福井県の敦賀、西は兵庫県の播州赤穂までを走るJR西日本の「新快速」。
特急料金が要らないのに特急並みのクロスシート、そして特急並みのスピードで各地を結ぶため大人気です。
関西最長の12両編成ですが、終日混雑しています。
2019年3月から朝と夕方の上下1本ずつ計4本の列車で、12両あるうちの1両(9号車)を有料座席車にしています。それが「Aシート」です。
まだ試験的な運用のようで、乗車客にはアンケートが配られていました。
姫路18時10分発は始発ながら窓側席はほぼ埋まる
私が乗ったのは姫路駅18時10分発の野洲行き。
「Aシート」の座席数は46席なのですが、椅子の横に窓がない1列を除きすべての窓際席が埋まり、乗車率は50%弱。なかなかの人気ぶりです。
その窓がない席(12列あるうちの6列目)を境目に、2名の乗務員が前方と後方で手分けして座席指定券の発券をしていきます。
支払い方法は現金と交通系ICカード。
ICカードは発券端末に挿入するタイプなのでモバイルSuicaは使えません。
私はSMART ICOCAで支払いました。
乗車している間、もらった乗車整理券は前席の枕カバーにあるチケットホルダーに入れておきます。
ちなみに現在は車内での乗車整理券の販売は行っておらず、「e5489」での事前予約が必要です。
座席は在来線特急並みだが全席コンセント付きでWi-Fiも完備
座席は在来線特急とほぼ同等ですが、各席の肘掛け部分にはコンセントが付いています。
さらにWi-Fiも完備。
「JR-WEST Free Wi-Fi」と「Wi2」のWi-Fiも飛んでいましたが、接続が安定しない上に速度も遅く、正直使い物になりませんでした。これは改善してほしいところ。
とはいえ、座席テーブルがあるのでパソコンを置いて作業するのにはもってこいです。
もっともこの日の車内は金曜日の夕方ということもあってか、発券後「プシュッ」という音がそこかしこから聞こえていました。
※写真はイメージです
仕事で疲れた体をAシートに委ねるのにもいいですね。
姫路始発ですが加古川や明石など、割と短距離の利用者も居たのが驚きでした。
網棚に加え荷物置き場も完備
車内には網棚に加え、荷物置き場があります。
下の図で右上、片側だけ2席分座席がないところがありますが、そこが荷物置き場です。
網棚もそのままありますが、大きくて持ち上げられない荷物は荷物置き場に置くのがいいでしょう。
荷物置き場が設置されたことにより、11C席の野洲行きはテーブルがありません。
(水曜どうでしょう「サイコロ6」よさこい号の大泉洋状態になります・笑)
三ノ宮での降車時には立ち客も多数
姫路から40分ほどで三ノ宮に到着しました。
降車客よりも乗車客のほうが多く、座席は8割方埋まる感じ。
座席部分通路での立ち利用は禁止されているため、ドア付近の立ち客がだいぶ増えた状態で三ノ宮を出発していきました。
「Aシート」に乗って感じたメリット・デメリット・特徴的なところ
飛び乗れる(全席指定化に伴い事前予約が必要になりました)
今回の「Aシート」に乗れるとわかったのは10分前くらいで、このタイミングだとネット予約に間に合わない場合があるんですね(予約は発車時刻の6分前まで・チケットレスの場合は2分前まで)。
着席してから支払うシステムなのでとっさに乗ることができますし、たとえ乗り継ぎがうまく行かなかったとしても損をしません。
ただ乗った時に満席だった場合は座れません。
事前予約なら席を押さえておけば確実に座れるので、事前予約もできつつ、飛び乗っても対応できるシステムにしてもらえるとうれしいですね。
チケットレス指定席券なら1乗車600円
姫路から加古川だろうが、野洲まで乗ろうがチケットレスなら1乗車600円です。2022年5月31日までは500円で乗れます。なお野洲駅を夜に出る新快速3号は450円です。
なおチケットレスではない通常の指定席券は840円です。
Wi-Fiが不安定で遅い
「JR-WEST Free Wi-Fi」と「Wi2」のアクセスポイントがありましたが、すぐモバイルデータ通信に切り替わってしまったり、繋がっても通信速度が遅く、使い物になりませんでした。
デッキ部分は立ち利用可(全席指定化に伴いできなくなりました)
乗降ドアのあるデッキ部分と客席部分は透明のパーテーションで区切られていますが、デッキ部分はAシート料金を支払わなくても立ち利用が可能です。
混雑する新快速のことを考えての措置だと思いますが、これは良し悪し。
今のシステムだと空き待ち用としてデッキ部分を使うことができるので、その点はメリットではあるものの、パーテーションの向こうだとしてもやはり立ち客が居るのは落ち着きません。
できれば「Aシート」乗客専用にしてほしいところ。
乗務員2名乗車
ぜいたくな配置だなぁと思いますが、乗降ドアが2ヶ所ある以上最低限の配置になりますね。
京阪のプレミアムカーは乗降ドアを1つにした上でアテンダント1名にしていて、Aシートに乗って初めて「ああうまくやらはったな」と思いました。
車内販売はなし
車内販売はありませんが、トイレも付いているのであるといいですね。
ドリンクやアルコール類、おつまみなど東京圏の普通列車のグリーン車みたいな商品の販売でいいんじゃないでしょうか。
もしくは新快速停車駅のAシート乗車位置近くに売店を配置するのもいいかもしれません。
9号車という連結位置
これも苦心の跡が伺えます。
「トイレが付いている」「8号車と9号車の間の通り抜けができないので車両を通過する乗客が少ない」などのメリットはありますが、車両の位置が端のほうなので、駅によってはホームをだいぶ歩かないとたどり着けません。
すべての列車に連結してほしいほど快適
初めて「Aシート」に乗りましたが、いつもの新快速が嘘のように快適でした。
いや、いつもの新快速も転換クロスシートで快適ではあるのですが、人の流動が激しくせわしい。それがない「Aシート」は本当に快適でしたよ。
同じ500円ほどかかる有料座席車としては京阪特急のプレミアムカーがありますが、正直比べ物になりません。京阪のほうが断然いいです。
しかし京阪神とその周辺を最速で結び、日々混雑する新快速という環境を考えると、着席ができてコンセントとテーブルがあり、長距離移動もできるなら600円は安いのではないでしょうか?
早期に全列車に連結して日常的に使えるようになってほしいなと思いました。
2022年3月12日からは全席指定席に!
Aシートは開始当初全席自由席、2020年12月からは一部が指定席になっていましたが、2022年3月12日からは46席すべてが指定席となりました。
指定席料金は840円ですが、ネット予約の「e5489」では600円。2022年5月31日までは500円です。
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