年の初めや新年度、そしてその半年後の6月後半から7月にかけてと9月後半から10月にかけては定期券を買う人が多くなる季節ですね。
毎年定期券売場にはすごい行列が…。でもちょっと待って!通勤定期券を買う前に買うかどうかを悩んでみてください。
その通勤定期券、本当にお得?
私は40代前半なので、仕事に就く頃には完全に週休2日制が浸透していましたが、自分の父親世代は土曜日も仕事で、週に6日通勤をしていました。
月に4週あったとして、6日×4週で24日乗ることになるので、定期券でも充分に元が取れていましたが、今は週休2日で週5日通勤。
なので5日×4週で20日。
しかも祝日が増えているので、月の出勤日数が19日なんてこともありますよね。
そうなると通勤定期券が必ずしも安いとは言えなくなります。
これは年々休みは増えているのに、定期券の金額の算出方法が休みが増える前から変わっていないからです。
「週休2日制が浸透したので定期券の金額を下げます」という鉄道会社見たことありませんよね?
しかもコロナ禍で会社への通勤はますます減少傾向にあります。
そこで損をしないために通勤定期券を買う前にやっておきたいことを3つにまとめてみました。
(ちなみにJRの通勤定期券や各私鉄の通学定期券は割引率が高いので、これには該当しません。)
やること1.通勤定期券の金額を回数券1回あたりの金額で割ってみる
まずは使う区間の通勤定期券の金額を回数券1回あたりの金額で割ってみてください。
例えば私が使っている阪神電鉄の武庫川団地前ー大阪梅田間では
普通乗車券は270円
普通回数券では1回あたり245円(2700円÷11回)
1ヶ月通勤定期券 10,130円
245円で割ると41回→21日
3ヶ月通勤定期券28,880円
245円で割ると117回(1月あたり39回→20日)
6ヶ月通勤定期券54,710円
245円で割ると223回(1月あたり37回→19日)
※往復乗車が前提で端数は切り上げて計算しています。
私の乗る区間の通勤定期券は19日から21日使わないと元が取れないということになり、月の乗車日数が18日以下だと6ヶ月定期よりも回数券を買って乗ったほうがお得になるという結果が出ました。
これで通勤定期券か回数券かを選ぶことができます。
ただし昨今回数券の廃止が相次いでいるため、その場合は普通運賃もしくはICカードでのポイント還元分を引いた金額で割るといいでしょう。
やること2.定期券の有効期間からできるだけ使わない日を外す
上記で回数券を買わないという選択になった場合は通勤定期券を買うことになるわけですが、まだ買ってはいけません(笑)。
私も昔は何も考えず月初に買って月末まで有効の定期券を使っていました。
あれ月末でスパっと終わる感じが不思議と気持ちいいんですよね(私だけかもしれませんが…)。
でもそれすごくもったいない…。
買うタイミングが重要です。
例えば下のカレンダーだと、4/1スタート4/30までのものと、3/29スタート4/28までのものではどっちがいいか。

答えは3/29〜4/28になります。
4/1〜4/30では平日使用可能日数20日(下のカレンダーの緑の帯)
3/29〜4/28では平日使用可能日数23日(下のカレンダーの青の帯)
3日も違う…。
土日祝日にも使うのならいいのですが、おそらく平日に使う人がほとんどなので、定期券の開始日を月曜日に、もしくは終了日を金曜日に設定すれば、定期券の有効期間内の休日が少なくなるためお得です。
しかも今はハッピーマンデーのお陰で週の真ん中にあった祝日が月曜日になることが多いので、その場合は火曜日スタートにすれば無駄がなくなります。
(※3月中は使わないんだよ…って声が聞こえてきそうですが、後ろにゴールデンウィークが控えているので多目に見てください…。)
やること3.「定期券購入乗車証」を使って次に使う日から有効の定期券を買う
これは一部の鉄道会社の定期券売場がない駅でしか使えない方法なのですが、定期券売場がない駅から定期券を買う時にかかる交通費を負担してくれる制度がある鉄道会社があります。
私が使っている阪神電鉄では「定期券購入乗車証」というものを各駅の自動券売機で購入することができます。
実はこれ、降車駅となる定期券を購入する駅は一番近くの駅でなくていい(事業者によります)のです。
私の場合、一番近い定期券売場のある駅は甲子園駅ですが、会社最寄りで定期券売場のある大阪梅田駅までの定期券購入乗車証の購入が可能です。

この定期券購入乗車証は購入時には降車駅までの運賃を支払わなければなりませんが、降車駅では改札機から乗車証が出てきて、購入した定期券を見せれば乗車証と引き換えに支払った金額が払い戻されます。
さらに、その際に欲しい旨を伝えれば、帰りのきっぷももらえるのです。

なので定期券の利用開始日を次に使う日にしておけば、1日分の交通費を浮かすことができます。
やること1の項目で「通勤定期券は月に19〜21日使わないと元が取れない」と書きましたが、この方法を使えばさらに1日増やすことができるので、実質月に19〜20日で元が取れることになります。
そしてこの方法は買う回数が多く割引率の低い1ヶ月定期券でこそ最大の効果を発揮します。
さらにこれと先述のやること2を組み合わせることによって、通勤定期券を使っているのに実は損をしているというケースを少なくすることができるのです。
やること2と3の組み合わせが最強
このやること2に3を組み合わせて最も効果が表れるのが5月から6月にかけてです。
まず5/9にやること3で出てきた「定期券購入乗車証」を使って、5/10〜6/9までの定期券を購入します。
これで平日利用可能日数は合計24日(上のカレンダー参照:クリックで拡大します)。

さらにやること2で出てきた買い方の工夫を6/10に発揮。
6/9で定期券の期限が切れるので、6/10は定期券購入乗車証で乗車し、直後の土日を外した6/13〜7/12までの定期券を購入すれば、平日利用日数は合計23日(上のカレンダー参照:クリックで拡大します)。
その後は海の日やお盆休みの兼ね合いで端数を定期券にするか回数券にするか、はたまた同様の購入方法にするのかを選択することになります。
おまけ.株主優待乗車証の使用を考える
6ヶ月定期券の利用が前提で、定期区間外の利用もある程度あるなら、株主優待乗車証の使用も考えてみてください。
阪神電鉄の場合、5月と11月の半ば辺りから金券ショップやオークションに出回り、梅田の金券ショップの相場で有効期限フル(=6ヶ月)のものだと60,000円前後。
またその時期を外しても、残り数ヶ月のものが売られていたりすることもあります。特に期限間近のものは破格の値段がついていることもあり、見つけたら買っておいて損はありません。ぜひ選択肢に入れてみてください。
(2016/7/21追記)結局、私は株主優待乗車証を買うことにしました。そのことについては↓の記事で。
まとめ.ちょっとの手間で定期券の有効期間を無駄なく使う
いずれの方法も計算したり、買う時期を考えたり、定期券を買うためのきっぷを買ったりと手間はかかりますが、定期券を遊ばせることなく無駄なく使えるので、効果的に節約ができます。
めんどくさがらずに一度試してみてください。
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