「図書館でここまでできる」奈良県立図書情報館 乾聰一郎さんのお話

イベントレポ
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この日曜日は伊丹に新しくできる図書館「ことば蔵」のプレイベント「図書館でここまでできる」に行って来ました。

スピーカーは奈良県立図書情報館の乾聰一郎さん。

乾さんとはcafe WAKAKUSAのコワーキングスタートパーティーの時に初めてお会いし、それから主催するイベントにお誘いいただいたりしてましたが、実はご本人のお話を聞くのは初めてだったりするわけです。

乾さんがいらっしゃる奈良県立図書情報館では実にいろんなイベント(コンサートやファッションショーまで!)が行われていて、図書館の域を超えています(笑)。

特に働き方研究家西村佳哲さんと三年間に渡って行われた「自分の仕事を考える三日間」というフォーラムは奈良のしかも駅からも遠いところに(奈良の人ごめんなさい)全国各地から参加者が訪れ、そしてそのフォーラム自体が三冊の本となって出版されてしまうというものすごいイベントでした。

今回は乾さんがどのようにそれらの企画を進められていくのかというお話を伺えたわけですが、ポイントが二つありました。

その前に、図書館は公共サービスの中でも一番収益を生まない施設であるとの前提をご理解いただいた上で…

まずひとつ目は、「自ら情報発信をして振り向いてもらえない人を振り向かせる」ということ。

図書館はリピーターが多い。しかし、興味のない人は全く来ない施設。
興味のない人にそのままガンガン言っても意味がないので、その人達にどうやってアプローチしていくかが大事とのこと。

手法としては先ほどのコンサートやファッションショー、フォーラムなどの様々なイベント、近くの病院の院長先生の相談会、地場の企業との連携など。

もうひとつは「図書館でやるイベントには必ず図書館のリソースを紐づける」ということ。

例えば、コンサートするにあたっては配るパンフレットに必ず演奏する曲に関連する書籍の紹介を載せ、図書館でも特設コーナーを設ける。

そうしていくことで図書館は財を生むと。なるほど。

終盤、質疑応答の時間でお話しされていたことで、印象に残ったことがあって、「地元の人は運営にどう関わってる?」という質問の際、「独自の思想ですが」という前置きをされた上で、次のようにお話してくださいました。

「日々雇用の人、嘱託、正規社員、アルバイト、ボランティア、いろいろな雇用形態があるが、職員の運営補助にボランティアってのは成立しない。必ず不平が出てくる。あの人はお金もらってるのに早く帰ったとか…。同じことをしてもらうことに無理がある。

仮に図書情報館の前のスペースを植栽にするとして、県の農業センターの人にレクチャーを受けて、ボランティアの方々にやってもらう。すると身につくスキルがある。そうなると植栽管理の補助をやってるのではない。

ボランティアは運営側の手前勝手な都合でやってる気がしてしょうがない。だったら持って帰ってもらえるものが大きいほうが嬉しいじゃないですか。わからなかったら、図書館だからその場で調べられるわけだし。その代わり研修はちゃんとやる。半年くらい。

そういう意味合いで図書情報館でやっている。ITサポーターズにもボランティアじゃないよと言っている。」とのこと。

これは次に書こうとしているこのイベントの翌日にあった西村さんのトークショーの内容にも
つながっていくんですが、「そのひとのはたらき」ということを、乾さん自身が重視してらっしゃるんじゃないかなと思ったわけです。

そりゃ西村さんと乾さんがタッグを組めばすごいイベントになり、本も三冊出せちゃうわと(笑)。

奈良県立図書情報館、また行きたくなりました。

そして会場となった7月1日にオープン予定の伊丹市立図書館「ことば蔵」。

入れるスペースが限られていたので、まだ中身はわかりませんが、どんな施設になるかこれから非常に楽しみです。

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書いた人

1978年4月11日 大阪府高槻市生まれ

いろいろなところでいろいろな仕事をする「移働家(いどうか)」
ライター・コワーキング運営(主に間借り)・イベント企画・MC・ファシリテーター(キャラクター強い人たちをまとめるので「猛獣使い」と呼ばれる)・歩くみどりの窓口(楽しい移動方法の提案をしてる)などなど
アダルトチルドレン・離婚歴あり・家なし生活・#移働家の生活

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