(はじめもうちょっとまとめようと思ったんですけど、まとめきれなかったんで、断片的なメモみたいな書き方になってます。長く読みにくいですが、ご容赦を。)
第一部は大阪のデザイナー原田祐馬さんの話を聞く。
西村さんと原田さんは金沢21世紀美術館の開館記念イベントの際に出会ったそうで、原田さんは近くの工房でヤノベケンジさんとその他の若者とともに何かを作っていたとのこと。
西村さんから見た原田さん
建築(学科)出てるのに、グラフィックデザインをやっている。
それは自分を何かにアジャストするんじゃなく、社会に必要なものは何だろうってところにミートしていく。
グラフィックデザインの世界に対して責任をとろうとしていなくて今必要なことをこなしているなと。
原田さんのプロフィール
ここから原田さんにスイッチして自己紹介
大阪市のフリーペーパーSUPERに立ち上がりから関わる。
IMI(インターメディウム研究所)出身。
建築出身でグラフィックデザインは独学で、リノベーションの設計もしている。
ヤノベケンジさんの展示会の会場のサインデザイン、広報物、すべて。
榎中展の会場構成や京都造形大でうすしお味のポテチを11種集めて、パッケージを思い出すワークショップやったり、被災地で漁師さんのための家具をつくったりしている。
「私は、□である」
自分でもこれだという肩書はわからないが、デザイナーとは言ってる。
グラフィックデザイナーと言ってしまうとグラフィックデザインから始まってしまう。
そうではなくいろんなフェーズから始めたい。
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肩書をグラフィックデザイナーにしないことでパッケージつくるにしても0からスタートできる。
味やパッケージなどいろいろなところに関われる。
仕事とは
TED デレク・シヴァーズ「ムーブメントのつくりかた」
AとBが対等になる。
「不可解なことを誇大(妄想)解釈すること」
「そして、行動すること」
仕事のはじまりについて
ヤノベケンジさんのイベント「子供都市計画研究所」をまとめた本「document」のデザインからスタート。
金沢に半年間寝泊まり、作ってるところから展示。はたまた生活まで全部見せる。
いろんなことできる人を連れていったけど、いろいろ間に合わなくなって自分でやった。
そのおかげで「最後にどういう風に持ってくか」のプロセスを知ることができた。
イベント終了後、プロジェクトのドキュメンテーションがないな…。
↓
本を作ろう!そしてできた本が「document」
右も左も分からず、出版社へ行った。
美術出版社にかけあったら、かかる費用300万のうち150万は持つと。
残りのお金集めに回った。
Illustratorで160ページ!!(←無謀!笑)案の定Macが壊れた。
「DESIGNEAST」
「プロジェクトの上流から下流まで見渡すこと」で、自分にできることがあるんじゃないか?
↓
一緒に考える「DESIGNEAST」
2009年からスタートしたイベント。
超背伸びしてアキレス腱が切れないくらいを目指す。
チケット収入でペイできるように運営。
イベント来た人に大満足して帰ってもらう。
2,000円の入場料を上回る満足度を得られるか。
自分達で関わって自分達でつくる。
00→01→02と年を追うごとに徐々に広がりを感じる
そして今年も9月15日、16日、17日に「DESIGNEAST 03」をやる。
過去二回でいいエラーをもらった。
今回のテーマは「対話」。
そのイベントを作っている仲間の間で大事にしている言葉が「デザインする状況をデザインする」。
関西にそういう状況はあんまないんじゃないか?
旧態な関係をリデザインする。
東京に出るんじゃなく、自分の居る場所でできる状況を見せていくための言葉。
もうひとつは「部分だけをデザインするのではない」。
周りと仲間と作っていく。
一枚のチラシをつくるのには興味がなくて、状況自体をどうデザインしていくか?のほうに興味がある。
インタビュー&やりとり
西村:実は会うの二回目。
あまり知らなくて良かったなぁと。
知ってたら本にしちゃうと(笑)。
「□の部分、今デザイナーって言ってますけど、それでいいんですか?」
得意なのがデザインなんで。
僕から始まることしかできないので。
最初っから解(こたえ)があればいいけど、ない。
今のところその肩書で困ったことはない。
「じゃあデザインって何ですか?」
想像力を融合して形にしてみること
「想像力を鍛えるためにはどうすれば?」
リチャード・ブローディガンが著書に「耳を塞がなければ想像力は誰にでもあるもの」と書いている。
見て見ぬ振りをしない。自分を諦めない。
例えば、料理のレシピはオープンソースだけど、そこに各家々のテイストをいれていく。これも想像力のひとつじゃないか?
スルーされがちだけど、それを見逃さない。
敏感にアンテナを立てておく。
つまりは観察の話。
下手でもいいから絵に書いてみる。そうすれば養える。
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観察力と想像力が背中合わせになっている。
「『デザインする状況をデザインする』という言葉について、もっと掘り下げたいんだけど…」
水のようなものが掴めるようになっていったらいいな。
パソコンのOSのように。
「大阪にはデザインの状況はないの?」
ないと言ったら怒られるけど、見えない。
見てないからかもしれないけど。
状況自体を見ようとしてない自分もいる。
なので対話の場(DESIGNEAST)を作ってるが、
まだわかってない。
「自分の身近で東京に行かないといけない状況はあったの?」
ない。関西に居てても何でもできるなと思っている。
お金は安いかもしれないけど、僕はそもそも東京の相場もわからない。
西村:東京は人という名の自然はいっぱいあって、多様性も担保されている。
出会いの可能性や人財に事欠かない。
でも、僕は大阪に来ている時のほうが気持ちいい。
環境はすごいあるじゃん。
経済的な状況はないのかもしれないけど、それだけじゃないよね?
西村:大阪は人の距離が違う。
東京で会議中ならふらっと挨拶して喋って終わり。
大阪なら会議中でも座っちゃう。そしてしばらくずっと居る。
僕にとって大阪は人の居心地の良さ。距離感、温度感。
「それなのになんで、今年は対話がテーマなのよ?(笑)」
当たり前すぎてすべて冗談みたいなことになってしまっているような気がしている。
話すだけじゃなくて、考えることが大事。
「やってきた10年間の中で大事にしてきたことは?」
上流から下流まで関わること。
立ち上げからアウトプットまでできるようにすること。
「ロゴのデザインだけしてください」って依頼はあまりない。
もしロゴのデザインだけ来ても立ち戻って提案できるようにしたい。
「仮想敵を立ててたけど、最近は立てなくなった」
自分一人が頑張ってきたけど、みんなで頑張れるやり方がわかってきた。
会場に来ていた人達からの質問
「デザイン出てこない時は?」
謝る。謝るとスッキリする(笑)。
お風呂が長いので、湯気でラフスケッチしたりする。
「締め切りギリギリまでやらないのか、計画的にやるのか?」
ギリギリになる。全員が当事者ってことが大事だから、全員が納得していることをアウトプットしたい。
「出す側、受ける側ではなく、みんなで考えていくようにするための工夫は?」
最初から「一緒にそのプロジェクトをつくる」ということを明言してコンセンサスをとっていく。
「受ける仕事と受けない仕事の線引きは?」
思いが共有できなくてプロジェクトが始められないことはあった。頭が固まってしまって、開いてくれない場合は断るようにしてる。
なのでオファーが来たら話を聞くようにしてる。無理そうやなと思ったら放置。それで連絡がなかったら本気やなかったんやなと。
「プロジェクトは面白そうだけど、担当者が…って思った場合は?」
やるようにしてる。
西村:僕はそういう状況は危ないと思っている。担当者の能力以上のものが出せない。
会社でのポジション、視野の広さ、狭さ。「担当者<西村」になってしまうとしっぺ返しが来る時がある。
原田:あ、ありました。
ミーティングはいいけど、プレゼンは良くないってことがあった。
西村:今の話は手術したがる外科医みたいで怖いね。
「これが自分で初めてデザインって何ですか?」
小3から20歳くらいまでラグビーをしていた。
15人がボールを後ろに回しながら前に進んでいく。
そこにデザインを感じた。
「自分がやってて一番楽しいことは?」
生活も仕事も完全に地続き。ワクワク…。
今やってる御手洗団子の味見がワクワクする。
そこからうすしおのワークショップや利き茶に繋がってる。
質疑応答が一段落したところで休憩。第二部へ続きます。
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