TP-Link Wi-Fi6対応ルーター「Archer AX73」レビュー:速度が速くコスパは良いが、録画番組視聴やホームゲートウェイのVPNが使えず結局返品

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Archer AX73 アイテム
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そろそろWi-Fi6対応のルーターが欲しいと思って、色々物色していたところ、TP-Linkから出ているArcher AX73がAmazonのセールで安かったので購入しました。

Wi-Fi6対応、4804Mbpsスペックで1万円台前半はかなり安いです。

今まで使っていたのはBUFFALOのWXR-1900DHP3(以下1900DHP3)。

左の白い機械がWXR-1900DHP3
左の白い機械がWXR-1900DHP3

同じBUFFALOでアンテナがあって、Wi-Fi6対応となるとAX12Sになるんですが、4万円近いのでさすがに手が出ず。

AX73よりちょい高めのAX6Sでもよかったのですが、外部アンテナがないため飛距離に不安があり、買わずにいました。

AX73は価格が安く海外製なので不安はあったものの、意外と高評価のレビューが多かったこと、BIGLOBEのIPv6オプションに対応していること、さらにメッシュ対応やUSBハードディスクでMacのバックアップシステム「TimeMachine」にも対応するなど、低価格の割に欲しい機能が満載なのが決め手になりました。

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Archer AX73にしてよかったこと・困ったこと

Archer AX73にしてよかったことと困ったことがありました。

よかったこと1:設定がかんたん

設定はPCはもちろんスマホのアプリからも手軽にでき、かんたんでした。

TP-Link Tether
TP-Link Tether
開発元:TP-LINK
無料
posted withアプリーチ

IPv6も自動で判別し設定されます。手動で設定したのはSSID名の変更くらいなので楽ちんです。

混雑時に5GHzと2.4GHzとを行き来できるスマートコネクトという機能もありますが、我が家ではそれぞれ別名で設定しているのでこの機能は使っていません。

はじめあまり速度が出なかったので、ネットワーク→インターネット→インターネットポートネゴシエーションスピード設定で「自動」に設定されていたWAN側の速度を「1000Mbps 全二重」に変えたところ、そこそこスピードが出るようになりました。

(※検証はNTT西日本フレッツ光ネクスト隼マンションタイプ光配線方式×Wi-Fi6非対応のMacBook Air Early 2020、iPhone 8 Plusで行いました)

Wi-F5対応のMacBook Air Early 2020ではこの速度
Wi-F5対応のMacBook Air Early 2020ではこの速度

よかったこと2:外付けHDDをつないでTimeMachineが使える

今までMacBook Airのバックアップには、東芝の外付けハードディスクを使っていたのですが、USB-AのためSATECHIのハブを経由して直接つないで使っていました。

だだMacBook Airの2つしかないUSBポートを使ってしまうし、ケーブルタイプのハブにハードディスクがつながる形なので、バックアップ中は取り外すことができず持ち運びがめんどくさくなってしまいます。

過去AirMac Extreme(Appleの無線ルーター)にハードディスクをつないでバックアップをとっていてとても快適だったので、AX73にハードディスクを接続して使うことにしました。

AX73と外付けHDDをつないだところ
AX73と外付けHDDをつないだところ

つなぎ替えるだけで今のバックアップが使えたらよかったのですが、APFSというApple用のフォーマットだったのでそのままでは使えず、一旦exFATでフォーマット。

さらにGUIDパーティションだと、保存したい領域とは別にMacには見えない設定用のパーテーションが残ってしまうため、方式はマスターブートレコードを選択します。

その後は公式サイトのとおり設定すればすんなり使えるようになり、初回のバックアップ約400GBは12時間ほどで完了しました。その後もちゃんと使えています。

Time Machineの設定方法(Wi-Fi 6対応ルーターの場合) | TP-Link 日本
Time Machineの設定方法(Wi-Fi 6対応ルーターの場合)

困ったこと1:夜、30分ごとに切れると言われ設定を変更

速度も出て満足していたのですが、夜になって、Apple TV 4K(初期モデルWi-Fi5)で動画を見ていた妻から「30分ごとに切れる」と言われ、設定を変更。

プリンタにしか使っていない2.4GHzの出力を低にして、帯域も20Hzに。

5GHzはバンドを36に固定し、帯域を160Hzに。

あと1900DHP3が同じように不安定だった時に、時刻の自動取得を切ったら安定したので、これも同じように設定して様子を見ることにしました。

その後は特に問題なく見れたようです。

困ったこと2:勝手にiPhoneとの接続が切れ4Gに

買って2日目の夜。自分のiPhoneとの接続だけが切れ4Gのままになっていました。他の端末はつながったままで原因不明。

なので家で使う端末のIPアドレスは固定することにしました。

それからは同様のトラブルは起こっていません。

Wi-Fiから勝手に切断されないようIPアドレスを固定化
Wi-Fiから勝手に切断されないようIPアドレスを固定化

困ったこと3:ルーターがv6プラスに設定されているとVPNが通らない

以前からスマホを自宅電話番号の子機にできる「スマホdeひかり電話」を使っています。

スマホdeひかり電話|スマホがひかり電話機に|NTT西日本公式
スマートフォンをひかり電話の電話機として利用できるようになる、スマホdeひかり電話をご紹介。Wi-Fi(ワイファイ)についてご紹介する、NTT西日本の「フレッツ」公式ページです。

NTT西日本のホームゲートウェイ(RX-600MI、以下HGWと略)をIPv4のみにしてVPNを受け入れる設定にし、IPv6での通信を1900DHP3に担わせる形にすることで、「スマホdeひかり電話」を外出先でも使えるようにしていました。

AX73でも同様の設定に。HGWとAX73はつながってはいるものの、通信としてはHGWがIPv4、AX73がIPv6と完全に分断されているため、自宅であってもスマホを使ってひかり電話の通話をする場合はVPN接続が必要になります。

BUFFALOの1900DHP3では自宅のWi-Fi下でもVPN接続ができていたのですが、AX73になってからはまったくつながらず…。

IPアドレスの競合かと思ったのですが、そもそも違うIPにしてるし「まぁ理由はわからんがHGWのVPNにはつなげんのやろうな」と思っていました。

ところがHGWのVPNだけでなく、外でのWi-Fi通信用に契約している「ギガぞう」のVPNにもつながらないのです。

で、いろいろ調べてみると、AX73はおろかTP-Linkのルーターでv6プラス設定時はVPNが使えない(VPNパススルー非対応)とのこと…。

VPNパススルーとは | TP-Link 日本
VPNパススルーとは

IPv6にすると割り振られるIPアドレスが固定されないので、そもそも端末自体にあるVPNサーバー機能が使えないことは知っていましたが、まさかほかのVPNにも接続できなくなるとは思いませんでした。

DMZにしてみたけど、結局HGWのVPNは通らず

いろいろ調べていたら、「HGWをDMZにしてルーターを静的IPにすればいける」という記事を見つけたので、DMZにしたHGWと接続。AX73のインターネット接続を静的IPにすると、VPNパススルーの設定画面が出すことができました。VPNパススルーがONになっていることも確認しましたが、結局はつながらず…。

さらにはHGWのIPv4 PPPoEに引っ張られて速度が劇落ちしたため、HGWの裏設定画面からIPv4 PPPoEを切断するはめに…。IPv6になるとHGWのDMZ設定が消えるので、正確にはDMZではないのですが、速度は安定しました。

この設定でギガぞうのVPNにはつながったものの、引き続きHGWのVPNにはつながりませんでした。

困ったこと4:v6プラスだといろいろできない

AX73をv6プラスで利用していると、VPNパススルー以外にもさまざまな制限があります。

「NAT転送」「VPNサーバー」はそもそも使えないので仕方がないのですが、v6プラス利用時のメニューを見るとセキュリティ機能である「HomeShield」も省かれており、利用ができません。

v6プラス以外で接続時のサイドメニュー
v6プラス以外で接続時のサイドメニュー
v6プラス利用時のサイドメニュー。明らかに項目が少ない。
v6プラス利用時のサイドメニュー。明らかに項目が少ない。

また「Homesheld」機能を使うにはTP-Link IDとのバインド(ひもづけ)を行う必要がありますが、v6プラス接続時はなぜかTP-Link IDのバインドができません。

QoSという動画を良く見る端末の通信を優先させる設定もTP-Link IDとバインドできないと使えず、v6プラスでできないことが今まで使っていた1900DHP3と比べてとても多くて残念…。

TP-Link IDはアプリを落として設定しはじめるタイミングでバインドしようと思ったのですが、何度やってもできず…。

最終的にはv6プラス接続時はバインドできないことがわかったのですが、アプリ側にv6プラスが起因ということはまったく表示されず、通信状況が悪いのかと思って何度もバインドを試みてしまいました。これは「v6プラス接続時はバインドできません」と出してほしいところ…。

v6プラスに設定されていると何回やってもバインドはできない。
v6プラスに設定されていると何回やってもバインドはできない。

困ったこと5:Station TV Linkが使えない

自宅には録画機能がついている古いSONYのBRAVIA(KDL-46HX80R)があり、そこに撮りためた番組をMac用のDTCP-IPソフト「StationTV Link」を使って自分のMacBook Airで見ていました。

ところが、AX73でつなぐとBRAVIA自体は認識されているものの、StationTV Linkに録画番組一覧が表示されません。

「StationTV Link」の録画番組一覧が表示される画面。「読み込み中」のまま何も出ない。
「StationTV Link」の録画番組一覧が表示される画面。「読み込み中」のまま何も出ない。

おかしいと思ってBRAVIAに対してPingを打つも反応なし。Tracerouteの反応はあるけど、Pingは返って来ませんでした。

Pingを打つが反応なし。
Pingを打つが反応なし。
Tracerouteは返ってくる。
Tracerouteは返ってくる。

意味がわからず、いろいろ調べたところ、価格comにTP-Linkの別のルーターで同様の症状の書き込みがあり、IGMPスヌーピングという機能をOFFにすると使えるかもとのことでしたが、その設定をしても視聴はできませんでした。

『Panasonic media accessで機器が見つからい場合』 TP-Link Archer AX50 のクチコミ掲示板
■最安価格(税込):価格情報の登録がありません ■価格.com売れ筋ランキング:-位 ■満足度レビュー:3.63(50人) ■クチコミ:1042件 (※9月13日時点)

結局返品することに

結局、速度とTimeMachine以外は、私の使用状況(HGWのVPN利用、DTCP-IPを使ったMacでの録画視聴)にまったくそぐわなかったので返品。1900DHP3をそのまま使うことにしました。

結局返品しました…。
結局返品しました…。

Archer AX73は確かにコスパはいいけど、過度な期待は禁物

Archer AX73は設定がかんたん、TimeMachine使える、確かに速度もそれなりに出るんですが、割と切れますし、HGWのVPN利用やレコーダーに録画した番組の視聴をしたい環境下にある場合はおすすめできません。

メッシュで拡張もできるし、ハードはすごくよかったんですが、自分の使用用途には合わず残念でした。

しかし、HGWのVPN利用、そのVPNに接続して外から利用するスマホdeひかり電話、StationTV Linkでのレコーダー録画番組視聴、高速安定通信が実現できる無線ルーターどこかにないですかね…。

ヤマハのNVR510にひかり電話の内線設定とWi-Fi6対応のアンテナがあればいいんですけどね…。

快適な通信環境を探る旅はまだまだ続きそうです…。

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