スルッとKANSAIカード発売終了。代わりとなるのはICOCA、PiTaPa、レールウェイカード…どれを選ぶ?

スルッとKANSAIカード発売終了。代わりとなるのはICOCA、PiTaPa、レールウェイカード…どれを選ぶ?

2017年3月31日、関西私鉄で使える磁気カード、スルッとKANSAIカードの発売が終了しました。
関西のほとんどの私鉄と地下鉄、バスを1枚のカードでシームレスに利用することができたので、使っていた人も多いと思います。
しかし、ICカードの普及に伴い発売終了。来年の1月31日を最後に使用もできなくなります。
スルッとKANSAIカードがない今、代わりにどのカードを選べばいいのかを考えてみました。

スルッとKANSAIカードの後継となりうるカードは3つある

スルッとKANSAIカードの後継となりうるカードはICOCA、PiTaPa、阪急阪神能勢北急レールウェイカードの3つ。それぞれに特徴があるので、順に紹介します。

ICOCA

ICOCA JR西日本のICカードでプリペイド(先払い)。

JR西日本と近鉄、京阪、南海、泉北高速、大阪モノレール、京都市交通局、大阪市交通局、神戸市交通局、神戸新交通、山陽電鉄、神戸電鉄、北神急行の駅で購入可能。
(北陸や四国でも買えますがここでは割愛)

駅の券売機や精算機、チャージ機、バスの運賃箱(一部非対応)で現金チャージ(積み増し)が可能。

クレジットカードでもチャージができるSMART ICOCAもある。

JR西日本のICOCAエリアに加え、
関西私鉄PiTaPa、JR北海道Kitaca、JR東日本Suica、関東私鉄PASMO、JR東海TOICA、中部私鉄manaca、JR九州SUGOCA、九州私鉄nimoca(函館ICAS nimoca含む)、福岡地下鉄はやかけんの全国相互利用エリアでも利用可能。相互利用エリアではないが札幌SAPICAエリア、岩手・宮城odecaエリア、仙台icscaエリア、新潟りゅーとエリア、広島PASPYエリア、熊本くまモンのIC CARDエリアでも利用可能。

基本割引はないが、Suica、PASMOエリアでは1円単位でおおよそきっぷより安いIC運賃が適用。
大阪市交通局・京都市交通局・神戸市交通局では地下鉄とバス、バス同士の乗り継ぎで割引適用。

大阪市内の移動は地下鉄とバスを組み合わせると安くなる!


南海バスではバス同士の乗り継ぎと阪堺電車との乗り継ぎで割引適用。
京阪バスでは事前登録すればポイントがつき、ポイントで割引(ICOCAのみ)。

※項目は便宜上ICOCAにしていますが、Kitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、SUGOCA、nimoca、はやかけんでも同様です。
ただし、2017年4月15日時点で山陽バス、伊丹市バスではICOCA、PiTaPa以外利用できません。

PiTaPa

PiTaPa スルッとKANSAIのICカードでPiTaPaエリアではポストペイ(後払い)。それ以外のエリアはプリペイドでチャージが必要。引き落とし口座設定のため申し込みが必要で駅では買えない。

ICOCA同様全国相互利用エリアでも利用できる。(広島PASPYエリアはICOCAだけが利用可能)

PiTaPaエリアでは後払いのため、割引が充実(ICOCA欄記載の割引も適用)。ただ、既存の回数券を超える割引をしているところは少ない(ほぼ同等になるのは1回目の乗車から割引になる大阪市交通局と南海バス、区間指定割引を登録した阪堺電車くらい)。

PiTaPaエリアではICOCAもPiTaPaも既存の磁気カード、乗車券、回数券、磁気定期券との併用ができない。不足額の精算も不可。またPiTaPaエリアでのICカードによる乗車券購入は京阪、近鉄、南海、山陽電鉄を除いてできない。

阪急阪神能勢北急レールウェイカード

レールウェイカード 阪急電鉄、阪神電鉄、能勢電鉄、北大阪急行の阪急阪神系の4社だけで発売される磁気カード。2018年1月31日までは、既存のスルッとKANSAIエリアでも利用可能。その後は上記4社でのみ利用可能。

レールウェイカード裏面 今までのスルッとKANSAIカード同様、乗車券、回数券、磁気定期券との併用が可能。

スルッとKANSAIエリア以外の路線(例:JR西日本)、ICカードシステムのみ導入の路線(例:叡山電鉄、阪急バス、神姫バス、奈良交通)などでは利用不可。

普通に乗るだけならICOCA、チャージの手間を省いて少し安くしたいならPiTaPa、今まで通りならレールウェイカード

今までスルッとKANSAIカードだけで電車・バスに乗っていたならICOCAだけで問題ありません。駅ですぐ買えますし、チャージをすれば繰り返し使えます。

またPiTaPaはPiTaPaエリアではポストペイなのでチャージの手間が省け(他のエリアで使えるプリペイド分をPiTaPaエリア内でオートチャージする機能もあり)、割引も複数の事業者で自動適用、登録をすればさらなる割引もあり、よりスムーズで少しお得な移動が可能です。

ただ、ICOCAもPiTaPaもスルッとKANSAIカードが使えていた比叡山鉄道(坂本ケーブル)、和歌山バス、和歌山バス那賀、南海りんかんバスではICカードシステム自体が導入されていないため使えませんし、PiTaPaエリアではICカードと既存の磁気カード、回数券や磁気定期券との併用ができません。

これらの場合は、阪急阪神能勢北急レールウェイカードしか選択肢がありません。それもその4社以外では2018年の1月31日までになります。


現時点でスルッとKANSAIカードと全く同じ使い方をしたい場合は阪急、阪神、能勢、北急の各駅(ひょっとしたら金券ショップでも扱うかもしれませんが)でレールウェイカードを購入しましょう!


ここからは余談。未来の話。お暇があればお読みください。

最終的にはICカードだけになる!?

他のエリアでは早々に磁気カードからICカードへの切り替えが進んでおり、関西だけ、それもスルッとKANSAIだけが長らく残っていました。

その理由としてあげられるのが、JRの昼間特割きっぷや私鉄の時差、土休日回数券など使い勝手のいい回数券の存在。

特に関西私鉄の回数券は金額式というどの駅からも乗車できて、乗り越した場合は回数券の額面の差額だけ払えばいいというルールのため、回数券とまとめて改札機に入れるだけで差額が払える磁気カードの需要が多くあります。

現に4社のレールウェイカード発行も「磁気定期券、回数券利用者が乗り越しで利用するニーズがある」との見解から磁気カードのままの発行を続ける旨を2016年7月4日のITmediaNEWSの記事が伝えています。

▶️ICカード時代になぜ? 関西私鉄4社が「新たな磁気カード乗車券」発行へ|ITmediaNEWS

とはいえ、ICカード化の波は確実に来ており、それが今回PiTaPa導入事業者10社でのICOCA発売とスルッとKANSAIカードの発売終了に繋がるわけです。

PiTaPaを導入している他の私鉄各社がICOCAを発売するようになっても未だに阪急阪神系の4社は磁気カードの発売を継続しているためか
「PiTaPaは阪急が始めたから意固地になってICOCA入れへん」
(注:あくまでICOCAを発売していないだけで利用は可能)
という意見も散見されますが、私は純粋に券売機や改札機の更新タイミングの問題だけだと思っています。

既に関西私鉄でICOCAを導入した各社は両脇や各種投入口付近が黄色や赤く光る新しい券売機やICカードをかざす部分が青く光る新しい改札機に変わっています(泉北高速のように改札機はそのままのところもあります)。

地下鉄の新型改札機 ところが阪急、阪神、能勢、北急の4社ではつい最近まで見かけませんでした。
が、ここに来てようやく、阪急にも新しい券売機や新しい改札機が入り始めました。


ここからは私の憶測ですが、今年度中に4社でも券売機や改札機の更新が行われ、来年度までにはICOCAの発売が開始されるような気がします。

またJR西日本でも2015年に昼間特割きっぷを12枚綴りから6枚綴りに変更した際、「ICOCAによる新たな近距離利用促進サービス導入」との記載があり、

▶️昼間特割きっぷの見直しについて|JR西日本

来年度には私鉄の時差、土休日回数券も含めた大掛かりな割引システムの変更があるのではないかと思っています。

この動きに先駆けて、PiTaPa陣営でもある京阪バスがこの4月からICOCAを登録すると乗車ごとにポイントを付与し、そのポイントで実質回数券並みの割引をするシステムを始めています。

▶️【京阪バス(株)他3社】新サービスの実施と磁気カード等乗車券の発売・利用終了について[PDF]|京阪ホールディングス

このような割引システムがICOCA、PiTaPa問わずどのICカードでも自動適用されるようになれば、回数券、磁気カードはおろかきっぷすら必要なくなるかもしれません。

自動改札の普及、共通乗車カードの導入に先鞭をつけてきた関西の面目躍如なるか?期待したいところです。


と書いてたらこんなニュースが…。

阪急阪神HDの担当者は「いつまでも磁気を残し続けるわけにはいかないのも現実。ピタパへの移行を長い目で促していく」と話す


マジですか…阪急さん…(苦笑)。

LINEで送る
Pocket